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夢の期待値はいくら?(2) ~期待値をビジネスに活かす~

ガッツポーズ宝くじに話を戻しましょう。

少し古い話ですが、私が平成26年の年始に購入した
第2295回関東・中部・東北自治宝くじの1等は
180,000,000円。
ゼロの数にくらくらしながら当たりを念じたものの、見事
に見知らぬ方の下へ舞い降りてしまいました。

いやいや、諦めてはいけません。
実は、この初夢宝くじには一富士賞(100万円)、
二鷹賞(5万円)、三茄子賞(1万円)というユニークな賞
があるのです。これほどバラエティーに富んでいれば、
高額当せんへの期待感は高まる一方なのですが・・・。

では、厳しい現実と儚い夢の価値を、宝くじの期待値を使って考えてみましょう。

当せん金と当せん本数を基に計算すると、宝くじ1枚(200円)あたりの
期待値は91.3円となります。
つまり、200円の投資に対して91.3円、比率にして45.3%のリターンを期待できる
ことになります。
91.3円を「現実の価値」とするなら、残りの108.7円が「夢の価値」、と捉えられるでしょう。

全国自治宝くじ事務協議会の資料によると、平成24年度の宝くじ販売実績は9,135億円、
使途は46.9%が当せん金、40.2%が自治体へ還元、11.7%が印刷経費や手数料、
1.2%が社会貢献広報費、とのこと。
当せん金以外の108.7円は、形を変えて社会で有効活用されているのです。
夢は儚く消えるのではなく、夢は社会貢献に生まれ変わって活きています。

このような期待値の考え方は、ビジネスにおける意思決定に際しても活用することができます。
例えば、受注見込額を単に積算するのではなく、案件別の受注確率を考慮した受注期待値
として捉えることで、確度の高い判断の下、目標達成に向けて合理的に活動できるようになります。
また、複数の事業プランがあり、各プランの成功確率と収益、失敗確率と損失を明らかにすれば、
それぞれの事業の期待値を求めることができます。

最も期待値が大きな事業を選択することは、KKD(勘・経験・度胸)だけに頼らない、
合理的な意思決定手法の一つです。

ところで、宝くじを購入して、期待値通りのリターンを「100%の確率で」手に入れる唯一の方法は、
1ユニット全てを購入することです。
先のケースでは1,400万枚、金額にして28億円の投資。そうすれば、1等もその前後賞も当てられます!

もし1等が当たったら、考えてみましょうか、いや、全然足りませんね・・・

  • 2015/02/27
  • コンサルティング
  • 投稿者:講師 河野 貴史