気づいていますか?「ダメな働き方改革」
~他の会社もやっているからウチだけ
やらないのは経営力が問われるしね、
株主もうるさいし~
(常務)
おい、本部長!
うちも働き方改革を本気でやるぞ!
トップ命令だ!意識を変えさせろ!
(本部長)
おい、部長!うちも働き改革やるらしいから、
みんな19時には退社しろ!
(部長)
おい、課長!働き方改革で19時退社がルール化されるから、
効率化するために会議やるぞ!
(課長)
おい、係長! 来週月曜日に働き方改革の会議やるから、
今週末までに資料作ってくれ!
(係長)
おい、担当!来週月曜日に、働き改革の会議の資料作るから、
今の仕事をどうすれば削減できるか、個々人で資料を作って、
今週中に提出してくれ!
あ、あとついでに、この部長からの指達資料コピーして
みんなに配っておいて。
(担当)
係長!わかりました!
-金曜日の夕方-
(担当)
係長!働き方改革の会議資料ができました!
(係長)
どれどれ・・・あ、これじゃ、課長から何か言われそうだな・・・
ココだけちょっと変えておいて。あと、全体がちょっと
見づらいな・・・体裁ももっと見やすく変えてね。
(担当)
はい・・・
-1時間後-
(担当)
係長!働き方改革の会議資料ができました!
(係長)
どれどれ・・・とりあえずこれで、課長に上げてみるか。
(係長)
課長!働き方改革の会議資料ができました!
(課長)
どれどれ・・・ん・・・これだと部長から、この点を詰められるな・・・
ちょっと数字の見せ方変えておいてよ・・・それから、
この文言はさ、部長が余計なこと言い出しそうだから、削除削除。
あと、なんかさ、もっとインパクトのある改善策も盛り込んでおいてよ。
(係長)
そ、そうですよね!私もそう思っていました。
(係長)
担当!課長からの指示で、こことここと、これを・・・今日中に修正してくれる?
(担当)
係長!もう18時なんですが・・・残業しても良いでしょうか・・・
一時万事。
「働き手」の意識・行動改革はもちろん、同時に「働かせ手」の意識と
言動改革も実現できなければ、社員は逆に疲弊します。
時間は短縮、ノルマは下がらず。
ここで三句。
「効率化、実現しようと重労働」
「働き手、改革しようとストレス増」
「経営者、残業削減、見た目良し」
とはいえ、大企業のように人が多くなると、非効率部分が増えるのは確実で、
削減の余地は、上から下まで数え切れないほど効率化すべき点はあります。
そこには日本人の特性や文化が影響しています。
その点はまたいつか触れたいと思います。
次回は、管理職がやるべき、すぐにできる「管理職の働き方改革」についてです。
- 2018/02/14
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一