(後編)八方ふさがりの現状を打開するラテラルシンキング
出典:SMBCコンサルティング株式会社発行「ネットプレス」
https://www.smbc-consulting.co.jp/upload/press/pdf/netpress1796.pdf
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以下は弊社コンサルタント 河野 貴史 が「ネットプレス」に
寄稿した記事となります。
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(前編からの続き)
発想ツールを活用する
76億人の知恵を借りなくても、個人で発想を
拡げる、さまざまなツールがあります。
単なるひらめきだけに頼らない、系統的な
ラテラルシンキング、とも言えるでしょう。
よく使われる手法を挙げてみましょう。
・マンダラート
・SCAMPER
・マインドマップ
・アイデアしりとり
ほかにもいろいろありますが、いくつかのツールを身につけ、
飽きないように使い分けてみることをお奨めします。
詳しくは、発想法に関するセミナーや書籍に譲ることにします。
なお、「マンダラート」は、メジャーリーガーの大谷翔平選手が
高校生時代に取り組んだことでもよく知られる手法です。
マンダラートでは、3×3で9マスの中心に、自分のありたい姿・
目標を記入し、取り囲む8マスに解決策を記入します。
曖昧なイメージでも構いません。
次に、8つから有望な2~3個を選択して、それぞれ新たに
作った9マスの中心に置き、同様の手順で解決策を具体化していきます。
大谷選手がどんなマンダラートを書いたのか、調べてみてください。
チームで壁を突破するブレインストーミング
壁を突破するために会議を開催したのに、
アイデアが出ない、そんなことはありませんか。
本当にアイデアは「ない」のでしょうか。
明確なアイデアはなくとも、モヤモヤの想いや、
アイデアの芽はあるかもしれません。
「三人寄れば文殊の知恵」、1人ひとり、物の見方、
感じ方、捉え方は独特です。
では、各自の考え(アイデア)を引き出すには、
どうすれば良いでしょうか。
まずは、会議の場で意見を受けとめる雰囲気を上手に作ることです。
どんな些細なことでも、意見を脚色せずそのままホワイトボードに書き出すこと、
あるいは、付箋紙に各自のアイデアを一件一葉で書き、貼り出す方法が有効です。
お互いに「承認」する姿勢を示し、否定されたり拒絶されたりしない、
という「安心感」や「信頼感」を育むことが大切です。
これにより、各自が貢献したいという意欲を高め、ブレインストーミングを活発にします。
もう一つは、日頃からチームメンバー間の強い信頼関係を築いておくことです。
チームで創造的に壁を突破するためには、良好な対人関係が欠かせません。
最後に
ロジカルシンキングとラテラルシンキングは、いずれも「スキル」であり、
努力すれば身につけることができます。補完的な関係にあるスキルですので、
両方をバランス良く活用して、業務課題の解決を加速していただきたいと思います。
【略歴】
京都大学 工学部大学院 工学研究科修了後、
鉄鋼大手の川崎製鉄(現JFEスチール)に入社。
新素材の材料設計・製造プロセスの研究開発に従事。
研究業務効率化プロジェクトに携わるほか、新技術
発掘プロジェクトを立ち上げ、主担当者として多部門
のメンバーをマネジメント。
リーダーとして部下を持ちながら、自動車部品向け
材料開発を率いた後、農業用途における新規ニーズを
発掘し事業化を実現。
その後メンター・クラフトへ合流し、“物づくり”から
“人づくり”の支援に情熱を傾ける。
【講演実績】 年間120日以上
メーカー(機械、化学品、製薬、医療機器、印刷、
住宅、電子機器、輸送機器、ゴム、空調、農業機械、
食品、自動車関連、素材)、建設、卸売業(石油等)、
通信、物流(空輸、鉄道、輸送)、
金融(銀行、信用金庫、中央金庫、証券)、損保、
IT(システム等)、ホテル、調査・研究、農協、地方自治体 他
【担当研修】
ロジカルシンキング(課題解決思考)、ビジネス統計分析、
ロジカルイノベーション®(技術、研究開発、生産技術者向け論理思考)、
交渉術、マネジメント、リーダーシップ、ファシリテーション、
プレゼンテーション、ロジカルコミュニケーション、コーチング、
メンタルヘルス 他
【資格・学位】
工学修士(京都大学)
経営学修士MBA(Bond University, Australia)
メンタルケア心理士®
DiSC®認定コンサルタント
- 2018/09/19
- メディア掲載
- 投稿者:講師 河野 貴史