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溺れる蚤??

大学入試「改革」の名の下に、

英語の試験制度が変わろうとしています。

読む・書く・聞く・話す、4つのスキルを

バランス良く評価することを狙いとしていますが、

民間試験の活用を初めとして、

制度構成には議論の余地が多そうです。

(今日のトップニュースで発表されましたね。

この制度が延期されるとのことでしたが・・・

決定までまた二転三転しそうです。)

 

さて、弊社のロジカルシンキング研修でも英語をテーマにすることがあります。

「なぜ日本人は英語が苦手なのか?」と問いかけ、その本質的要因を追究するディスカッションです。

本当に日本人は英語が苦手と言えるのか、という客観的事実の確認に始まり、

受講者自身の経験や知識を駆使し、グループディスカッション形式でその原因を徹底的に掘り下げます。

例えば、社会的要因、教育的要因、等に加えて、言語学的要因にも焦点が当たり、

中でも聞くスキル・話すスキルに、苦手要因を求める事例が多く見られます。

 

ところで、歴史的に見ると、日本人は西洋文化を片仮名に置き換えて上手に取り込んできました。

しかし、外国語の発音を片仮名で表すのはとても困難です。

例えば、readとlead。両者の意味は全く異なるのに、片仮名で標記するとどちらも「リード」、

rとlの音(子音)を区別できません。

rightとlightも同様です。

J-POPで時々耳にする ” I wanna beフリー! ” の叫びは、

あなた、flea(蚤)になりたいの? と突っ込まれそうですし、

” フリーマーケット”は、free(自由)なmarketではなくて、「蚤の市」です。

 

さて、ロジカルシンキングはもちろんロジカル ” thinking ”なのですが 、

ロジカル ” sinking ”の場面にも度々遭遇します。いえ、冗談ではなくて。

「さあ、ディスカッションしながら考えてみてください。」と問いかけると、

テキストに向かって独りで黙々と考え始め、思考がこぢんまりと内向きになって頭を抱え込み、

うーんと唸りながら沈没(sinking)してしまう方をよく見かけます。

もちろん、ディスカッションに不慣れなこともあるでしょう。

 

ロジカルシンキング研修の狙いは、事実を「多面的に」捉え、

筋道立てて考えるコツを身につけることです。

広い視野で可能性を拡げることは、考えを掘り下げることと同様に大切です。

ロジカルシンキングの定石ツールは教科書に譲るとして、

私たちは次の2つのことを繰り返しお伝えし、トレーニングします。

 

(1)考えは、生煮えの段階で仲間と共有すること(多面的思考、可能性の拡大)

(2)考えを、ホワイトボードや紙に書いて見える化すること(情報の共有と構造化、論理的欠陥の発見)

 

気づきを深め、最良の解を導き出すためには、そう、“ Free Thinking! ” です。

くれぐれも” Sinking Flea ” になりませんように。

  • 2019/11/01
  • コンサルティング
  • 投稿者:講師 河野 貴史