フィードバック練習のススメ(題材:ソメイヨシノ)
東京は、3月14日に桜の開花宣言がでましたね。
満開の景色が楽しみですね。
桜といえば、
ピンクの花が咲く春が注目されます。
もちろん桜の花も素敵ですが、
個人的には、青々とした緑葉が茂る桜の木が、とても好きです。
桜の緑葉って、とーーっても綺麗で、その貢献期間たるや、
4月~10月ころまでにかけての約半年!
なんだったら、「主役はこっちじゃいっ」って、桜の葉は想っているかもしれません。
ひょっとしたら、私がひねくれているだけかもしれませんが(笑)
さて話は変わりますが、この季節になると、
多くの会社では人事評価の結果フィードバックや、来期に向けた目標設定が行われますね。
そこで今日は、フィードバックにフォーカスをしてお話をしたいと思います。
フィードバックには、2種類あります。
成果を上げた点を認める「承認フィードバック」と、
改善点を気づかせる「改善的フィードバック」の2つです。
ビルゲイツ氏はこんなことを言っています。
「みんなコーチを 必要としています バスケット選手も そうですし テニス選手も 体操選手も。
~中略~
フィードバックを与えてくれる人は 誰にでも必要です そうやって 上達していくんです。」
しかし、フィードバックの方法は、非常に難しいものです。
以前、米メディカル業界で行われたアンケート調査にて「人材開発のどんな点が難しいか」という問いがありました。
最も多かった答えはなんだと思いますか?
ずばり「フィードバック」です。
特に、改善的フィードバックは、伝え方によっては、
相手を落ち込ませてしまったり、悩ませたりしてしまう可能性もあります。
そうならないための手法に、唯一の正解はありません。
同じフィードバックの伝え方でも、
相手によって、成功するときと、そうでないときがあるからです。
また同じ相手でも、コンディションによって受け取り方も変わってきます。
それでも、マネージャーは相手のために冷静かつ客観的に熟考し、
伝えるべき点はキチンと伝えなければ相手のためになりません。
そんなときに参考になるのが、
フィードバックの留意点、SBIというフレームワークです。
Situation⇒具体的に発生した状況(日付やシーンなど)を正確に
Behavior⇒その時に、相手がどのようなふるまい(行動)をとったのか
Impact⇒それが、本人にとって、また、周囲にどのような影響を及ぼすのか
これらを考慮してフィードバックをするという手法です。
事例としては、
S:先週の月曜日に、私からお願いした件の資料がまだ提出されていないようです。
B:約束の期日が過ぎましたが、私からの督促によって、あなたが期日に気づいたようにみえました。あっていますか?
I:そのようなことが続くと、周囲へどんな影響を及ぼすと考えますか?
さらに、自分にとっての悪影響は?
のようなイメージです。
もし、Sの段階で、「あ、それは、今回、たまたま急な別件で立て込んでしまって・・・」のように、
相手の方が言い訳をしてきた場合。
Sを追加します。
「実はこれ、今年に入って3回目なんです。(全部、期日と内容言えます)」
「もしそうだとしても、事前に相談すべきでないでしょうか。
私は怒っているのではなく、今後、同じことが起きないための解決策を2人で考えたいんです。あなたの考えを聴かせてもらえませんか。」
大事な点は、フィードバックする内容によっても、相手によっても、
絶対的に成功するフィードバックのパターンはありませんので、
相手のパーソナリティを考えながらSBIを上手に伝えて、
トライ&エラーで、フィードバックに挑戦していく必要があるということです。
最後にその練習方法について、ご紹介します。
ここで、冒頭に戻りますが「桜」です。
ソメイヨシノさんが、目の前にいると思って、ソメイヨシノさんが素敵な点、
今後も継続してほしい点をフィードバックしてみましょう。
これは簡単ですよね。
一方で、ソメイヨシノのさんに改善してほしい点を発見して、ソメイヨシノさんが傷つかないよう、
なおかつ、本人が前向きになれるよう、フィードバックのフレーズを考えます。
(この場合、ソメイヨシノさんのパーソナリティは自由に設定します)
「ソメイヨシノさん、あなたが咲かせる花の美しさは、
ほかのどの草花にもない美しさで、秀逸としかいいようがありません。
しかし、あなたが真の意味で国民に愛されるようになるためには課題もあります。
それは、年間50週あるにもかかわらず、 その美しい期間 は3月末から4月初旬のたった2週間なことです。
多く人が、あと2週間、いや1週間長く楽しめたらと思っています・・」
のようなイメージです。
このように、世の中のものには、
「すでに秀逸であり継続してほしい点」と「今後の本人のために改善すべき点」があります。
これを、どのように”発見”して、客観的、且つ具体的、
且つ、相手が受け入れやすいように伝えるかがフィードバック技術です。
これは、ある程度訓練が必要です。
そして訓練によって向上する可能性を持っています。
尚、フィードバックを成功させるための必要条件は「相手のことを思いやる」ということです。
これは、絶対に忘れないでください。
ちなみにですが、前段のソメイヨシノさんへのフィードバックに「相手への思いやり」が欠けるとこうなります。
「ソメイヨシノさん、あなたは、たった2週間しか綺麗な花を咲かせませんが、
そもそもやる気あるんですか?
我々観るほうの立場ってものを理解しています?
毎年気温によって咲く時期もバラバラで、すぐに散ってしまうなんて、あまりにも自分勝手ですよね?」
です。ちょっと、かわいそうですね・・^^;
みなさんは、こんなフィードバックをしないように気をつけてくださいね!
素敵な春が訪れますように!
葛西
- 2021/03/18
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一