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オートクライン効果 -自己との対話-

皆さんは「今、自分で話していて、気づいた(思った)んですけど・・・」
と思った(言った)経験はありませんか?

私は人生の中で数えきれないくらいあります。

この「自分の発信によって、自分の潜在的な考えや想いに気づくこと」を
”オートクライン効果”といいます。

 

[オートクライン効果]

コーチング用語としての「オートクライン」とは、自分が話した言葉(内容)を
自分で聞くことによって、自分の潜在的な考えに気づくことです。
人が「話す」ということは、単に相手に情報を伝達するだけではなく、会話によって
自分が何を考え、想っているのかに気づくという目的も含まれています。
つまり、相手に話しかけながら、自分でも自分の声、自分のアイディアを聞いている。
オートクラインを起こすことは、コーチングのひとつの目的ともいえます。
尚、オートクラインとは、もともとは生物学の用語で「分泌された物質が、分泌した
細胞自身に作用すること」を意味します。

 

私たち研修講師は、研修中に「個人で作業して書き上げたものをお隣の方(受講者)と
ペアで共有してください。」というインストラクションを頻繁に出します。

私も若い頃、受講者として同じ経験をしたのですが、当時ひねくれていた私は
「もう自分で書き上げたのにわざわざ他の人に話す必要あるの?」と思ったことがありました。

最近の受講者は素直な方が多いので、そんなことは思わないかもしれませんが・・・

しかし、よくよく考えてみると私たち講師も研修中に”ペアで共有する”目的について
ほとんど説明してこなかったように思います。

”ペアで共有する”ことの最も重要な目的は「相手の方の考えから学ぶこと」ですが、
それと同じくらい重要なことは、

“オートクライン効果によって自分自身の潜在的な考えに気づくこと”

です。

例えば、部下と上司が1on1を行うことを例にとると、部下にとっては1on1を通して
自分の想いを上司へ発信していくことで、

・自分が持っている(事実・考え・気持ち)必要な情報を上司と共有できる
・上司に自分の想いをきちんと聴いてもらうことで、心の充足感が高まる
・話していくことで、自分の考えや気持ちに気づく(オートクライン効果)

などの効果を得られる可能性があります。

 

上司にとっては、部下の想いを知ることができますし、部下との信頼関係構築にも寄与します。
話を聴いてもらう相手がいない場合には、自分の気持ちを文字に書き起こしたり、独り言を
言うことでも一定のオートクライン効果は得られると言われていますので、
ぜひチャレンジしてみてください!

ただし、独り言を言う時は、周囲に誰もいないことを確認してからにしましょう・・・

  • 2022/08/18
  • 社長コラム
  • 投稿者:葛西 伸一