忙しい人こそ、仕事の処理方法の原点に帰ってみましょう!
私が1年を通して実施する研修において、マネジメント・リーダーシップ研修があります。
管理職や管理職候補の方への研修です。そこで、よく出る悩み・課題のトップ3の中に入る項目が
「忙しくて、後輩や部下を指導する時間が取れない」です。
私の昭和~平成の時代では、「残業した人が仕事が出来る人」「上司より早く帰れない」が
当たり前でしたが、働き方改革による残業の抑制などにより、今の令和の時代には
「限られた時間で成果を出すこと」が求められます。
これは管理職に限った話ではなく、どの世代にも言えることであり、仕事の効率化という
観点ではよりシビアな時代となっています。では、その忙しい理由とは何でしょうか。
聞いてみると、主な要因は次の4つであることがわかりました。
①会社の仕組みやルール(報告作業や点検作業など)が多く、中には不要なものもある
②上司からの指示や依頼によって仕事が増える(重要なものもあるが、そうでないものもある)
③全体の仕事量に対して、明らかに人員が少ない
(本当に人員不足の場合もあるが、削減できる仕事もある)
④自分の仕事の進め方が効率的でない
(抜け・漏れ・手戻り・必要以上の点検による作業の増加、誤った優先順位付けなど)
①②③については、コントロールが非常に難しいものですね。
これらをコントロールしようとすると、”交渉術”が非常に重要となってきます。過剰な仕事量や
明らかに生産性の低い重複作業等がある場合に「周囲と交渉を行い効率化を図ること」は、
仕事が出来る人の必須要件と言えるでしょう。
余談ですが、私が2007年に社員150人のベンチャー企業に勤務していたとき、
経営事情から「人員を半分に減らす希望退職」が施行され、
数ヶ月で人員が80名になりました。残ったメンバーは大パニックです。
しかし、不思議なものでそうなったことで管理職や従業員が本気で
無駄な仕事をやらなくなって、なんとか回ってしまったのです。
(ただし、減員によって仕事やサービスの質が低下したものがあったのは事実です)
話は戻りますが、自分自身がコントロールしやすいのは、やはり④の自分の仕事の効率化でしょう。
そこで、自分自身でできる仕事の効率化のコツをお伝えします。
仕事の効率化のコツ
✓ “やること”を毎日メモに書き出す
✓ “やらないこと”を覚悟を持って決める
✓ 使えるものは上司でも使う
✓ 「重要度」「緊急性」の2軸で優先順位をつけて仕事を進める
✓ 柔軟に対応できる余裕を持つ(8-9割で1日のスケジュールを組み、1割の余裕を残す)
✓ 仕事にかかる時間をできるだけ正確に見積もる
✓ 手が空いた際に、素早くできる仕事をいくつか済ませる
✓ 工程が多く長期的に進めるものは早めに手をつける
✓ 常に時間を意識して、制限時間を設けて仕事を進める
✓ 集中力の観点から「考える仕事」は午前中に行い、「ルーチンワーク」は午後に行う
✓ 完璧にやろうとしない(仕事に応じて必要な完成度を分別する)
✓ メール作成に時間を使いすぎない
✓ 電話で済ませた方が早い場合は、メールよりも電話を使う
✓ 休憩やコミュニケーションの時間を持つ
✓ Excel、PPT、Wordのショートカットキーや新たな機能を覚える・仲間と共有する・仲間に聞く
上記は、若手やベテランなど世代は問いません。
若手でも出来ている人はいますし、ベテランでも出来ていない人はいます。
もちろん、その逆もしかりです。私自身完璧ではないので、日々意識するように心がけています。
最後に、私が起業した時代から今まで、仕事をする上で大事にしているフレーズをご紹介します。
7つのセルフ・チェックフレーズ
①これ、本当に今(今日)やる必要ある?なぜ、明日ではダメなの?
②それよりも、今日中にやらなきゃいけない仕事があるのでは?
③10分おきに、PC画面右下の時計を見ている?(集中しながらも、必ず時計を見るクセをつける)
④作業はこの順番が最も合理的? 順番を変えた方が効率が良いのでは?
⑤2つの仕事をセットでできない? 本当に2ステップ必要?
⑥緊急ではないけれど、重要な仕事のために、日々少しでも時間を取れている?
⑦何かやろうと思ったとき、「いつまで? (BY WHEN?)」を決めている?
これをお読みの皆さんと中小企業の社長とでは、業界・業態・仕事内容等が異なるので、
どこまで参考になるかわかりませんが、ぜひこの7つのセルフ・チェックフレーズを
日々の業務に取り入れてみてください。忙しい日々に少しずつ変化が訪れてくるはずです。
私のマネジメント・リーダーシップ研修では、残念ながらここまで細かい部分まで触れていませんが
仕事の効率化で悩む方々にとって、この記事が自身の振り返りのきっかけになれば嬉しく思います。
- 2023/04/18
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一