マイルドなストレスで、ストレス耐性を向上させる ~ホルミシス効果~
今日は、研修講師としてではなく、
メンタルケア心理士®葛西としてコラムを書いてみました。
4月に新年度がスタートし、
入学・入社・人事異動などで環境が変わった方も多いと思います。
慣れない環境で軽度のストレスを受け続けることで、
ちょうど5月~6月ごろのこの時期、
心身に不調を感じることも少なくありません。
最近ではリモートワークも定着してきましたが、
健康面では必ずしもプラスになるとは言えませんね。
さらに、6月になると気候の変化も訪れます。
梅雨入りなどで低気圧と高気圧が交互に訪れることで、
頭痛、倦怠感、睡眠不調などの体調不良を引き起こすことがあります。
また、特に冬は朝も真っ暗でぐっすり眠れる一方、
夏は朝が明るく夜が寝苦しいため、それだけでも体に負担がかかります。
このような状況では、6月頃には体調が悪化し、
仕事のパフォーマンスに影響が出てもおかしくありません。
そこで、適切な知識や情報を獲得し、
ストレスマネジメントのスキルを身につけることが重要となります。
私が考えるストレスマネジメントの定義は、
ストレスを完全に回避したり、解消したりすることではなく、
「しんどくなる可能性のあるストレスをマイルドストレス以下に和らげる」ことです。
社会人として生きていく以上、ストレスは避けられません。
もちろん、本当にしんどすぎるストレス(ハラスメントや過重労働など)は、
しっかりと対処する必要がありますが、
日常のストレスに関しては、自分自身で「マイルドなストレスへと緩和」していくことが重要です。
そしてこの「マイルドなストレス」ですが、
私たちのストレス耐性(コーピング)を向上させることが科学的に示されています。
これは「ホルミシス効果」と呼ばれています。
生物は常にさまざまな環境ストレスにさらされています。
過度なストレスは生物に悪影響を与えます。
その一方、マイルドなストレスを経験した個体は
しばしばストレス耐性を獲得することが知られています。
このホルミシス効果は、
19世紀後半から20世紀初頭にかけて提唱され、発展してきました。
20世紀後半から21世紀にかけては、
ホルミシスの概念が生物学や医学の多くの分野で研究され、
低用量のストレスが老化の遅延や健康の促進に寄与する可能性が示唆されています。
具体的には、適度な運動やカロリー制限などがこれにあたります。
語源についても触れておきましょう。
「ホルミシス(hormesis)」という用語は、
ギリシャ語の「hormaein」(刺激する、促進する)に由来しています。
ホルミシス効果は身体だけでなく、メンタルにも影響を及ぼすと考えられています。
したがって、完全にストレスを避けるのではなく、
そのストレスを緩和する「術」を持つことが、
仕事のパフォーマンスを向上させる上でとても重要になるのです。
具体的なマイルド・ストレスへの転換手法はさまざまです。
例えば・・
💡リフレーミング(ネガティブな思考をポジティブに変換する)
💡ジェームスランゲ説(行動から情動への影響を活用する)
💡 ビジョン設定(ワクワクする夢や目標を持つ)
💡ストレス共有(相談相手や話し相手を持つ)
💡有酸素運動(1日1万歩を目標に、1時間程度のウォーキング以上)
💡太陽光を浴びる(15分以上・手のひらでもOK)
💡睡眠(場所、時間、布団、枕、気温と湿度、寝付き方などを工夫する)
💡リラクゼーション(音楽、ヨガ、アロマ、自然散策などを取り入れる)
💡バランスのとれた食事や美食を楽しむ
などが挙げられます。
みなさん、日々受けるストレスをこれらの手法で上手に緩和・マイルドストレスへと転換し、
「ホルミシス効果」を意識して不調になりがちなこの時期を乗り切っていきましょう!
メンタルケア心理士®
葛西 伸一
- 2024/06/24
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一