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モチベーションマネジメント ~パリ五輪より金メダリストの自己効力感~

モチベーションを高め、維持するためには、「動機付け」が重要なキーワードです。

動機付けには大きく分けて、内発的動機付けと外発的動機付けの2つがあります。

ここでは、パリ五輪と重ね合わせて、金メダリストにおける具体例を紹介します。

内発的動機付けの例

1. 自己達成感: 自分自身の限界に挑戦し、記録を更新することや技術を磨くことに喜びを感じること

2. 情熱と楽しさ: スポーツそのものが楽しく、練習や競技を続けることが心からの喜びであること

3. 自己成長: 新しい技術や戦術を学び、成長していく過程を楽しむこと

4. 競技への愛: スポーツに対する純粋な愛情や興味

5. 目標達成: 自分自身で設定した高い目標を達成することに強い満足感を得ること

外発的動機付けの例

1. メダルや賞: オリンピックや世界選手権でのメダル獲得や表彰を目指すこと

2. 金銭的報酬: 大会での賞金やスポンサー契約、広告出演料などの金銭的な利益

3. 名誉と認知: 自国や地域からの称賛や社会的な認知を得ること

4. 家族や友人の期待: 家族や友人、サポーターからの期待に応えたいという思い

5. 国の期待: 国やスポーツ協会からの期待やプレッシャーを背負い、国のために成果を出したいという思い

これらの動機付けがうまく組み合わさったとき、

金メダリストは最高のパフォーマンスを発揮することができます。

しかし、動機付けを行動へ転化し、維持していくためには、

それとは別に「自己効力感」が必要です。

それは「やれるかも」「できるかも」「可能性があるかも」といった意識です。

裏を返せば「絶対無理だ」「自分には無理だ」「ありえない」という気持ちが強くなると、

モチベーションの維持が難しくなります。

実際に、パリ五輪のスケートボードで2大会連続の金メダルに輝いた堀米雄斗 選手は、

次のようにインタビューで語っています。

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「ここまで来るのにすごく長かったし、地獄のような3年間だった。

東京オリンピックの金メダルより重く感じています。まずオリンピックに行けるかも分からない状況で、

1カ月前までは中国の大会で予選落ちして、オリンピックに行くことも諦めていて。

でも大会が終わって、まだチャンスがあるということを聞いて。1%の可能性ではあったんですけど、

その1%を信じて、今日最後の最後まで信じ切れたかと思います。

それが鍵になったと思うし、滑り切るまでに体もメンタルもきつい状況で。

サポートしてくれた家族、仲間、ファンのみんなのおかげで最後滑り切れたと思います。」

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-堀米雄斗さんのインタビューへの回答 サンスポ記事より-

このように、1%の可能性にかけられる人は、

可能性が少なくても、そこに向けて全力で取り組めば実現するかもしれません。

たとえ実現しなくても、何か得るものがあるかもしれません。

こうやって信じて挑戦することが、その人を成長させることにつながるのです。

堀米さんだけではありません。

体操では、団体総合決勝の際に主将の萱和磨さんが

仲間に「諦めんな」を連呼し、苦しい中でも自己効力感を高めて、

ドラマのような逆転劇で見事に金メダルを獲得しました。

これはスラムダンクの名言 ”諦めたらそこで試合終了”

という言葉に影響されたとも言われています。

最後まで諦めずに挑戦することで、金メダル獲得という大きな夢を

実現できたことは、モチベーションマネジメントの成功と言えるでしょう。

最近は「タイパ(タイムパフォーマンス)主義」という言葉が飛び交っています。

確かに世の中には情報があふれていて取捨選択が必要であり、職場では人手不足と働き方改革で、

今まで以上に効率性を求められるようになりました。

しかし、タイパオンリーの仕事や生活では、質が低下してしまい、

結果として効率が悪くなるケースもあります。

一見タイパが悪くても、挑戦して歯を食いしばることで得られるものもあるのです。

目標・挑戦・行動・効率・忍耐・継続・落胆・転換・変化・進化・発展…

人生にはさまざまなチェックポイントがあります。

視野を狭くして「一択」にならないように、幅広く長い視野で仕事や人生を捉えると

より多くのことが見えてくるでしょう。

モチベーションマネジメントを意識しながら、

「自分にとっての中長期的な動機付けはなにか?」

「簡単に諦めていないか?」

「楽な方に逃げていないか?」

など、自分自身を見つめなおしてはいかがでしょうか。

 

 

  • 2024/08/07
  • 社長コラム
  • 投稿者:葛西 伸一