いつまででも学べる!「高齢者は記憶力が低い」は思い込みだった!
50代くらいの受講者の方から
「なんだか、最近歳のせいか、物覚えが悪くなっている気がする」
あるいは、
「最近、結構モノを忘れがちなんだよね・・」という声が、
グループワークなどの雑談から聞こえてきます。
もちろん、何らかの理由で記憶力が低下したり、
忘れることが多くなることはあると思います。
しかし、それが「歳のせい」だと思うのは、
「気のせい」である可能性が高いです!
脳科学的な観点から、解説いたします。
脳を動かしている神経細胞の数は
3歳から100歳までほとんど変わることはありません。
米タフツ大学のアヤナ・トーマス博士が2011年に行った実験が
「加齢は記憶力低下の原因ではないこと」を物語っています。
実験内容はこうです。
18~22歳の若者と、60~74歳の者を各64人集める。
その対象者たちにまず単語リストを記憶させる。
その後、別の単語リストを見せて
どの単語が記憶した元のリストにあったかを言い当てさせる。
実はこの実験ではテスト前に「ただの心理テスト」と伝えた組と
「この試験では高齢者の方が成績が悪い」と伝えた組を作っている。
前者の「ただの心理学テスト」と伝えた組では
若者と年配者の正答率はともに50%と開きはなかった。
しかし、後者の「この試験では高齢者の方が成績が悪い」と伝えた組では
若者の正答率は変わらず50%だったが年配者の回答率は30%にまで落ち込んだ。
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この実験は高齢者の記憶力低下が
必ずしも加齢による不可避な結果ではない可能性を指摘し、
心理的要因や社会的期待が記憶力の実績に直接影響することを示唆しています。
つまり、高齢者の能力を評価する際に、
ステレオタイプや固定観念の影響を排除する必要があること
を教えてくれます。
ということで、
脳は何歳までも学び続けることで、活性化します。
そのためにも、
①本を読んだり、動画をみたり、研修に参加したりしてインプットを増やす
②仲間と議論することで脳を活性化させる
③日常からいろんな人とコミュニケーションをとって、
脳の情報と言語化の結合トレーニングを欠かさない
これらを意識してぜひ挑戦してみてください。
講師 葛西 伸一
- 2024/12/12
- 社長コラム
- 投稿者:葛西 伸一