アセスメントツールの種類と概要
DiSC®、TEG、POMSの概要は以下の通りです。
研修目的に応じて、最適なアセスメントツールをお選びいただきます。
- DiSC®理論に基づいて行動を測定し、人を否定的に判断しない4つの行動特性(D、i、S、C)の観点から、その人の行動の特性を探ると共に、自分と他人の行動を理解します。さらには、他の人の動機・欲求を理解し、コミュニケーションのスタイルをその人に合ったものにすることもDiSC®は可能にしています。
- 交流分析理論に基づき、人が持っている「5つの心」の強弱から自己理解を深めます。自分の性格の特徴や行動パターンに気づき、今後の自己成長をはかる手がかりとして利用できます。また他者との違いに気づいたり、周囲とのコミュニケーションスタイルを見直したりするきっかけとしても利用できます。
- 過去1週間の「気分の状態」について6尺度で測定します。これにより、受検者の最近の持続的な気分状態を把握します。6つの気分尺度ごとに、「健常」「他の訴えとあわせ、専門医を受診させるか否かを判断する」「専門医の受診を考慮する必要あり」の3段階で結果が判定されます。
各アセスメントの特徴
各アセスメントの特徴、分析結果のアウトプット、分析指標、アセスメント活用による期待効果、
および組み込み可能な研修をご紹介します。
DiSC®Everything DiSC®はJohn Wiley & Sons社が著作権を所有し、日本語版開発および総販売代理権をHRD株式会社が有しています。
- 特徴
- DiSC®行動モデルはその人の環境認知に基づく行動反応の仕方を測定します。その人がどのタイプの人間かを測定するものではありません。
- アウトプット
- 人の行動傾向を大きく4つの特性に分類し、中立的な視点で行動パターンを分析します。
4つの行動特性(D・i・S・C)とは
- D主導
直接的で決断が早い
D(Dominance)意志が強く、勝気でチャレンジ精神に富み、行動的で結果をすぐに求める傾向があります。
- i感化
楽観的で社交的
i(influence)いろいろなチームに加わり、アイディアを分かち合い、人々を励ましたり楽しませることを好みます。
- S安定
思いやりがあり協力的
S(Steadiness)人助けが好きで、表立つことなく働くことを好み、一貫性があり予測可能な範囲で行動し、聞き上手です。
- C慎重
緻密で正確
C(Compliance)仕事の質を高めることを重視して、計画性をもって系統だった手順で作業することを好み、間違いのないように何度も確認します。
期待効果
仕事への関わり方、意見や手順の違い、問題解決方法の相違は、職場では時として仕事の効率や生産性を妨げる要因になります。そこでDiSC®を用いると例えば以下のような効果が期待されます。
- 自己の行動を理解する
- コミュニケーション力を向上させる
- 個人とチームの取り組みを向上させる
- 生産的なチームを構築する
- 自分の行動をいつ、どのように適応すればよいかを学習する
- 相違点の理解と尊重を促進する
- 対立を緩和する
- 有能な管理者を育成する
研修への組み込み例
DiSC®を組み込むことが効果的な研修の例をご紹介します。
- コミュニケーション、コーチング、メンタルヘルス、ダイバーシティ
- マネジメント、リーダーシップ
- セールス、イノベーション、タイムマネジメント、チームビルディング
TEG
- 特徴
- 交流分析理論に基づき、人が持っている"5つの心(自我状態)"の強弱から自己理解を深めます。人の性格の良し悪しを測るものではありません。
- アウトプット
- エゴグラムにより、ビジュアルでわかりやすく受検者の特徴をとらえます。 エゴグラムとは、人の観察可能な行動(言語、声音、表情、ジェスチャー、姿勢、行動)を5つの自我状態に分類し、それらのエネルギー量(発生頻度)の高低を棒グラフで示したものです。
「5つの心(自我状態)」とは?
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- CP
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- 批判的な親 CP(Critical Parent)
- 責任感が強い、厳格である、理想をかかげる、といった特徴と関係があります。
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- NP
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- 養育的な親 NP(Nurturing Parent)
- 思いやりがある、世話好き、受容的である、といった特徴と関係があります。
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- A
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- 大人 A(Adult)
- 現実的である、冷静沈着である、客観性を重んじる、といった特徴と関係があります。
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- FC
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- 自由な子ども FC(Free Child)
- 感情をストレートに表現する、明朗快活である、創造的である、といった特徴と関係があります。
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- AC
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- 順応した子ども AC(Adapted Child)
- 他者を優先する、遠慮がちである、人の評価を気にする、といった特徴と関係があります。
期待効果
交流分析理論に基づき、人が持っている「5つの心」の強弱から自己理解を深めます。自分の性格の特徴や行動パターンに気づき、今後の自己成長をはかる手がかりとして利用できます。また他者との違いに気づいたり、周囲とのコミュニケーションスタイルを見直したりするきっかけとしても利用できます。
POMS
- 特徴
- 過去1週間の「気分の状態」について6尺度で測定します。これにより、受検者の最近の持続的な気分状態を把握します。疾病の有無を判定するものではありません。
- アウトプット
- 6つの気分尺度ごとに、「健常」「他の訴えとあわせ、専門医を受診させるか否かを判断する」「専門医の受診を考慮する必要あり」の3段階で結果が判定されます。
気分状態の「6尺度」とは?
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- T-A
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- 緊張-不安(Tension-Anxiety)
- 「気がはりつめる」「不安だ」などの9項目から構成されています。
得点が高い場合、より緊張していることを示します。
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- D
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- 抑うつ-落込み(Depression-Dejection)
- 「ゆううつだ」などの15項目から構成されています。
得点が高い場合、より自信を喪失していることを示します。
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- A-H
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- 怒り-敵意(Anger-Hostility)
- 「怒る」「すぐけんかしたくなる」などの12項目から構成されています。
得点が高い場合、より怒りを感じていることを示します。
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- V
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- 活気(Vigor)
- 「生き生きする」などの8項目から構成されています。
この項目は他の5尺度とは異なりポジティブな項目であるため、この得点が低いと活気が失われていることを示唆しています。
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- F
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- 疲労(Fatigue)
- 「ぐったりする」などの7項目から構成されています。 得点が高い場合、より疲労感を感じていることを示します。
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- C
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- 混乱(Confusion)
- 「頭が混乱する」などの7項目から構成されています。
得点が高い場合、より混乱し考えがまとまらないでいることを示します。
期待効果
過去1週間の「気分の状態」について6尺度で測定します。これにより、受検者の最近の持続的な気分状態を把握します。繰り返し利用することで、より的確に受検者の気分・感情の変化に気づくことができます。